東京都の入札「格付け」完全整理|物品・委託(A/B/C)と建設工事(A〜E)の違い、無格付(X)を避ける方法

初めて東京都の入札に挑戦しようとしたとき、「A・B・Cって何?」「建設はA〜E?」「無格付(X)だと参加できない?」と、ランクの話だけで手が止まることがあります。しかも同じ“東京都の入札参加資格”でも、物品・委託と建設工事では格付けの決まり方が大きく違います。
ここでは、東京都の格付けを“実務で迷わない順番”に整理し、無格付(X)を避けるためのチェックポイントまで落とし込みます。案件確認は東京都の入札情報サービスが基本導線になるので、あわせて使い方のコツも押さえましょう。
東京都の入札参加資格は「物品・委託」と「建設工事」で別系統
東京都で入札に参加するには、東京都独自の「入札参加資格」が必要です。国や他自治体の資格がそのまま使えるわけではないため、まずは東京都向けに整える必要があります。
東京都の入札参加資格は大きく次の2系統です。
物品買入れ等競争入札参加資格(物品・委託等)
建設工事等競争入札参加資格(建設工事・設計・測量等)
系統が違うと、格付け(A/B/CやA〜E)に使う資料・評価軸・注意点も変わります。全体像は東京都の入札資格の整理ページが分かりやすいです。

物品・委託の格付け:営業種目ごとにA/B/C(+無格付X)
A/B/Cは「営業種目ごと」に付く。会社全体のランクではない
物品・委託の世界で最初につまずきやすいのが、「うちはBランクの会社」ではなく、営業種目ごとにA/B/Cが付くという点です。営業種目の選び方次第で、同じ会社でも種目Aと種目Bのように結果が分かれます。
この格付け構造(A/B/Cに加えて無格付Xを設けること)は、東京都の競争入札参加資格に関する公示で確認できます。
競争入札参加者の資格に関する公示(物品・委託の等級・無格付の扱い)
「客観」と「主観」を別々に評価し、低い方が最終等級になる
物品・委託の格付けは、次の2つを別々に評価します。
客観的審査事項(財務・規模など)
主観的審査事項(原則、営業種目別売上高)
重要なのは、両方の評価結果のうち「低い方」が最終等級になることです。つまり、財務が良くて客観A相当でも、主観が弱いと最終的にBやC、場合によってはXになり得ます。
この「下位(低い)等級を採用する」考え方も、公示に明記されています。
客観的審査事項(物品・委託):6項目をまず棚卸しする
物品・委託の客観項目は、枠組みとして次の6項目です。
年間総売上高
自己資本額
従業員数
流動比率
営業年数
障害者雇用割合(雇用率)
実際の算定・読み替え(例:従業員数の扱いなど)まで含めた実務整理は、専門家解説が参考になります。
東京都入札参加資格(物品・委託等)の格付け方法(客観6項目の整理)
なお、客観点の等級目安として「70点以上A、40点以上70点未満B、40点未満C」という整理が示されています。
無格付(X)になりやすい落とし穴:営業種目別売上高が「0円」
物品・委託でXを避けたいなら、最重要ポイントはここです。主観的審査は原則として審査対象事業年度の「営業種目別売上高」で判定され、当該営業種目別売上高がない(0円)場合は無格付(X)になります。
「とりあえず幅広く種目を入れておこう」と考えると、種目によっては売上ゼロでXに寄ってしまう可能性があります。営業種目・取扱品目の設計は、申請前に時間を取って詰めた方が安全です。
東京都入札資格(物品)の営業種目・取扱品目一覧(選び方の前提)
同一等級内の「順位」もある。競り負けを減らすための視点
物品・委託はA/B/Cで終わりではなく、同一等級内で順位付けも行われます。順位の比較は、まず営業種目別売上高、同値なら自己資本、従業員数…という順で評価される整理が公示にあります。
同じBでも「B上位」と「B下位」では、指名や見積合わせの場面で体感の差が出ることがあります。売上を“種目別”に積み上げる意識は、X回避だけでなく順位面でも効いてきます。
建設工事の格付け:A〜E(業種によりA〜D)+“P点×最高完成工事”で決まる
建設工事は「経審(P点)」が土台。A〜Eは工事規模の目安にもなる
建設工事側の格付けは、物品・委託とは別物です。東京都では業種ごとに格付けがあり、一般にA〜E(業種によりA〜D)といった形で運用されています。
建設工事の客観評価の中核は、経営事項審査(経審)の総合評定値P点です。P点は次の算式で整理されています。
P = X1×0.25 + X2×0.15 + Y×0.20 + Z×0.25 + W×0.15
算式の確認・背景の把握は、経審点数の解説が役立ちます。
建設工事も「客観等級」と「主観等級」を出して、低い方が採用される
東京都の建設工事では、客観等級(P点など)と、主観等級(最高完成工事経歴など)を算出し、低い方が最終等級になる整理が示されています。
例えば建築工事・電気工事の業種別ページでは、P点と最高完成工事を用いた格付けの考え方が説明されています。
「経審は取ったから大丈夫」と思っていても、主観側の入力・証明が弱いと最終等級が伸びない、またはXになる余地があります。

発注標準金額の例:A〜Eで“参加できる工事規模の目安”が変わる
格付けは、入札の参加資格の話であると同時に、実務上は「どの規模帯の案件が回ってくるか」の目安にもなります。例えば東京都の建築工事(例)では、発注標準金額の整理として次のような区分が示されています。
A:4.4億円以上
B:2.2億円以上〜4.4億円未満
C:6,000万円以上〜2.2億円未満
D:1,600万円以上〜6,000万円未満
E:1,600万円未満
電気工事(例)ではA〜Dで次の整理が提示されています。
A:5,500万円以上
B:1,800万円以上〜5,500万円未満
C:600万円以上〜1,800万円未満
D:600万円未満
⚠️ 発注標準金額の区分や金額は年度・運用で見直される可能性があります。参加を検討する業種について最新資料で確認してください
無格付(X)を避ける実務チェックリスト:物品・委託/建設工事で原因が違う
物品・委託でXを避ける:種目別売上「ゼロ」を作らない設計
物品・委託で無格付(X)を避けるには、主観審査の核である「営業種目別売上高」を中心に逆算します。
申請する営業種目で、審査対象年度に売上を立てているか(0円だとX)
営業種目・取扱品目の選定を広げすぎない(売上ゼロ種目を増やさない)
ISO等の認証がある場合は申請上の反映を取りこぼさない(売上割増加算のルールがある)
無格付の条件や、ISO等の扱いは公示で確認できます。
建設工事でXを避ける:最高完成工事経歴の「未入力」を潰す
建設工事側のXで典型的とされるのが、申請時に「最高完成工事経歴」を未入力にしてしまうケースです。電子申請は未入力でも受け付けられ、補正対象にならず気づきにくい、という実務上の注意が挙げられています。
無格付(X)になってしまう理由(最高完成工事経歴の未入力など)
さらに、無格付(X)だと参加できる工事が大きく制約される(例:予定価格500万円未満が原則)という整理も示されています。
もしXになったら:再審査で戻せる可能性があるが、時間コストに注意
入力漏れ等で無格付(X)になった場合でも、再審査申請で等級に戻る可能性があるとされています。一方で、再取得に最大約1か月かかる場合がある、という整理もあり、案件機会を逃しやすい点が痛いところです。
申請タイミングと案件探し:逆算しないと「公表済み案件」に間に合わない
東京都入札は、案件が公表されてから慌てて資格申請しても、その案件の参加に間に合わないことがあります。目安として、毎月10日までに申請して不備がなければ翌月1日から適用、というスケジュール感が示されています。
実務では次の順番で逆算すると、取りこぼしが減ります。
入札情報サービスで、業種・地域・時期の案件傾向を把握する
自社が狙う「営業種目/工事業種」と「必要な格付け帯」を決める
主観項目(種目別売上/最高完成工事経歴)を先に固め、X要因を消す
申請締切から逆算して、添付書類・入力のレビュー時間を確保する
東京都の格付けは「低い方採用」が共通。だからこそ“弱い片側”を先に潰す
東京都の格付けは、物品・委託も建設工事も、客観と主観を分けて見たうえで低い方が採用される、という考え方が軸になります。初心者のうちは、財務や経審(客観)だけに目が行きがちですが、実際に詰まりやすいのは主観側です。
物品・委託:営業種目別売上高が0円でX
建設工事:最高完成工事経歴の未入力でX
ここを先回りして潰せると、申請後に「なぜこのランク?」「なぜX?」と振り返る時間が減り、案件探し・書類作成・締切管理に集中できます。
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